サンレモ音楽祭とSanremo Giovani(サンレモ・ジョーヴァニ)2020

リグーリア州の港町サンレモで毎年開催される、イタリアのポピュラー音楽の祭典、サンレモ音楽祭(正式名称:Festival della canzone italiana)。日本の紅白歌合戦にあたるようなこの国民的音楽祭は、1951年、サンレモ音楽祭の会場となる「カジノ サンレモ」のイベント・広報担当であったアンジェロ・ニコラ・アマートが発起人となり誕生し、今年で70回目を迎えます。

ドメニコ・モドゥーニョ、ミーナ、ルーチョ・バッティスティ、アドリアーノ・チェレンターノ、イーヴァ・ザニッキ、アル・バーノ、マッシモ・ラニエリ、ヴァスコ・ロッシ、エロス・ラマゾッティ……。多くのアーティストがこのサンレモの地でデビューし、イタリア音楽界においてその名を馳せるようになりました。

1993年からは、サンレモ音楽祭の新人部門への出場をかけて新人アーティストが競い合うコンテストSanremo Giovani(サンレモ・ジョーヴァニ)が開催されるようになり、毎年700名を超える参加者がサンレモの大舞台を目指します。

昨年からさらに、このSanremo Giovaniの上位入賞者が参加するSanremo Giovani World Tour(主催:イタリア外務・国際協力省 / 協力:イタリア放送協会RAI、サンレモ音楽祭)が開催されるようになりました。昨年の東京公演での成功も記憶に新しいなか、今年もまた、ここイタリア文化会館での公演が決定しました!

Sanremo Giovaniに参加する8組のアーティストのうち、ツアーに参加できるのは4組だけ。気になる順位はサンレモ音楽祭中に(2月4日~8日)決定します。東京に来るのはどのアーティストでしょうか。新人部門をどうぞお見逃しなく!

参加する8組のアーティストは追って紹介します。

エウジェニオ・イン・ヴィア・ディ・ジョイア
Eugenio in Via Di Gioia

2012年、トリノで結成。グループ名はメンバーであるエウジェニオ・チェーザロ(ヴォーカル、ギター)、エマヌエーレ・ヴィア(ピアノ、アコーディオン)、パオロ・ディ・ジョイア(ドラム、パーカッション)の名前から。4人目のメンバーであるロレンツォ・フェデリーチ(ベース)の名前は彼らのファースト・アルバム(2014)のタイトルにつけられている。2017年2月、彼らのセカンド・アルバムに収録されたGiovani illuminatiを初めてのシングル作品として発表。その後、一年半に渡るツアーを行った後、2018年9月にシングルAltroveをリリース。 2019年2月には3枚目のスタジオ・アルバムNatura Vivaを発表し、同年ローマにて行われたConcerto del Primo maggioに出演した。
Sanremo Giovani 参加楽曲:Tsunami.

ファーディ
Fadi

本名Thomas Olowarotimi Fadimiluyi(トーマス・オロワロティミ・ファディミルイ)。31歳。エミリア出身、リッチョーネで育つ。イタリア人の母とヨルバ人の血を引くナイジェリア人の父を持つ。初期の楽曲には2018年夏に発表されたCardineなど。続いてシングルSe ne vaをリリース。ファブリツィオ・デ・アンドレのトリビュート・アルバムFaber Nostrumに、Riminiを歌い参加する。2019年6月には3枚目のシングルCanzone leggeraを発表。
Sanremo Giovani 参加楽曲: Due noi.

ファズマ
Fasma

(C) MATTEO MORRA PHOTO

本名Tiberio Fazioli(ティベリオ・ファツィオーリ)。1996年ローマ生まれ。幼少期から音楽に熱中し、13歳の若さで作曲を始める。2018年に、自身のこれまでの人気楽曲MonnalisaM. MansonLady Dなどを収録した初のEP WFK.1を発表。彼の音楽スタイルはエモトラップとされている。
Sanremo Giovani 参加楽曲: Per sentirmi vivo.

ガブリエッラ・マルティネッリ・エ・ルーラ
Gabriella Martinelli e Lula

ガブリエッラ・マルティネッリはプーリア州に生まれ、自身の声を人々に届けようと、ストリート・ミュージシャンとしてヨーロッパ中を回る。2015年に、アルバムRicordati di essere feliceでデビュー。2018年、さまざまな女性の生き方にフォーカスしたLa pancia è un cervello col bucoを発表。
ともに活動しているルーラは、1995年ローマ生まれ。本名ルクレツィア・ディ・フィアンドラ。ドラム、ピアノ、ヴォーカルを学び、20歳から作曲活動を始める。彼女の楽曲は、ポップやロック、ラップなど、これまで聴いてきた多種多様な音楽からの影響が表れている。
Sanremo Giovani 参加楽曲: Il gigante d’acciaio.

レオ・ガスマン
Leo Gassmann

1998年ローマ生まれ。両親ともに俳優で、父はアレッサンドロ・ガスマン。幼少期から音楽への興味を示し、歌とギターを始める。サンタ・チェチーリア音楽院を卒業後、2018年、オーディション番組「Xファクター」に出場し、未発表曲Piumeを披露。敏腕音楽プロデューサーであるマーラ・マヨンキに見出され、準決勝まで進む。2019年にはシングルCosa Sarà di Noi?を発表。楽曲Vai bene cosìでSanremo Giovani最終選考に残る。
Sanremo Giovani 参加楽曲: Vai bene così.

マルコ・センティエーリ
Marco Sentieri

1985年ナポリ生まれ。ミュージシャンになる夢を叶えるため、16歳でローマに移り、最初のバンド「Quarto Senso」を結成。ソロ活動では、ルーマニアで「Xファクター」に出場し、さらに同地で行われた国際フェスティバルへの参加によってその知名度を上げる。イタリア帰国後は、新しいプロジェクトに着手。友人のパオロ・ポッラストロ、「Pilla」のニコラ・ピッラ、アレッサンドロ・ピッラとともに「Marco Sentieri & i Due Quarti」として活動するようになる。2017年、新曲La nuova generazioneのMVを公開。2019年に発表したAvvolgimiは、近年の彼らの楽曲のなかでも特に高い評価を得る。イタリアで活躍するラッパーのロッコ・ハント、クレメンティーノ、モレーノ、ジェメッリ・ディヴェルシらともコンサートを行っている。
Sanremo Giovani 参加楽曲: Billy Blu.

マッテオ・ファウスティーニ
Matteo Faustini

1994年ブレッシャ生まれ。大学では外国語・外国文学を専攻し、現在小学校教員。作詞とピアノの才能に恵まれ、13歳でコーラスのボーイ・ソプラノとしてスカラ座で歌い、16歳でブレッシャ周辺にて行われた多くの演劇に参加。18歳でアレーゼ音楽祭で優勝。マイケル・ジャクソンのトリビュート・バンド「Smooth Criminals」のヨーロッパ・ツアーへの参加により、さらにキャリアを積む。Area Sanremoファイナリスト、2017年から2019年の間にLa Bocca del Cuoreをはじめ、50以上の楽曲を手がける。
Sanremo Giovani 参加楽曲: Nel bene e nel male.

テクラ・インソリア
Tecla Insolia

2004年生まれ。演技と歌に魅了され、女優ジャンナ・マルトレッラの指導とレ・ムーゼ協会の協力を得て、演劇の世界に飛び込む。2016年、タレント・ショーPequenos Gigantesで3位を獲得。ライ・フィクションの番組「L’Allieva 2」のキャストも務める。14歳から17歳までの若者が参加したボーカル・コンテストSanremoYoung 2019優勝者。
Sanremo Giovani 参加楽曲: 8 Marzo.

サンレモ音楽祭2020を日本から視聴する場合、イタリア放送協会(RAI)の公式サイトに登録する必要があります。(https://www.raiplay.it/
登録にはメールアドレスが必要となります(登録無料)。
サンレモ音楽祭の番組は、同サイトにて生放送またはオンデマンド動画でお楽しみいただけます。
なお生放送は、サンレモ音楽祭期間中、2月4日(火)から8日(土)までです。