Buongiorno a tutti!
日本オタクのイタリア人漫画家は、対イスラム国(IS)防御の砦となったシリア北部・クルドの町で何を見たのか。
イタリア人気No.1漫画家ゼロカルカーレ 12万部超えのルポルタージュコミック、ついに日本上陸!
「漫画だから表現できる世界の真理がある。文章や映像、写真だけでは戦争は描ききれない。戦場の現実をここで追体験してほしい。」
安田純平氏(ジャーナリスト)
ゼロカルカーレ(Zerocalcare)は、1983年イタリアのアレッツォ生まれ、ローマ育ち。2011年、『アルマジロの予言』を発表し、商業漫画家としてデビューしました。2014年にはイタリアでもっとも影響力のある文学賞「ストレーガ賞」のセミファイナリストに選ばれた実力派です。今回日本語版が出版される『コバニ・コーリング』はこれまでに8言語に翻訳され、2020年には、増補改訂版に当たる『コバニ・コーリング:それから』が刊行されています。
【あらすじ】
31歳の人気漫画家は、物資の支援のために、イスラム国(IS)との戦闘が激化するシリア・トルコ国境地帯に赴き、翌年には、奪還されたコバニや山岳のクルド人の軍訓練キャンプを訪れる。混迷が続く中東の地で、彼が目にしたものとは?
日本語訳を手掛けたのは、翻訳家の栗原俊秀氏。ジョン・ファンテ、カルミネ・アバーテ、アマーラ・ラクースなど、「イタリアと移民」に関係のある作家を精力的に日本に紹介しています。2016年、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)で、第2回須賀敦子翻訳賞を受賞しました。
栗原俊秀氏よりメッセージ
本書は、漫画ならではのアプローチで、混迷の只中に暮らす人々の様子やインタビューなどを描いています。国を持たない最大民族、クルド人の歴史や彼らがおかれた状況、シリア内戦期に樹立されたクルド人の自治区「ロジャヴァ」について、本書1冊でわかる内容となっており、作者が2020年に執筆した文章を新たに収録したことで、ロジャヴァやコバニの現在の状況についても理解を深めることができます。また作者が、パンクや日本アニメが好きということもあり、イラクの理不尽な入国管理官が「北斗の拳」の悪役にたとえられるなど、シリアスな内容がときに軽快かつユーモラスに綴られているのも見所です。
イタリアだけで12万部超を売り上げ、世界各国で翻訳されている人気作。この機会に読んでみてはいかがでしょうか?
※イタリア文化会館図書室にて現在貸し出し中。
※以下のリンクから冒頭部の試し読みも可能です。https://note.com/kadensha/n/n77f9fa0dd71d
<インフォメーション>
『コバニ・コーリング』
2020年9月7日発売
作者:ゼロカルカーレ
訳者:栗原俊秀
発行:2020年9月5日
花伝社
http://www.kadensha.net/books/2020/202008kobanecalling.html